気候変動対応長期ビジョン
電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」の改定について
2016年に発効した「パリ協定」は、「地球の気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満に抑制(1.5℃への抑制努力を追求)すること」を世界共通の長期目標とし、今世紀後半にGHG(以下、GHG)の排出を実質ゼロにすることをめざしています。また、同年発効の国連「持続可能な開発目標(SDGs)」でも、気候変動の具体的な対策の実施が求められています。
電機・電子業界は、国際社会の一員として、さらに“地球規模での脱炭素化に貢献していく”ためには、グローバル・バリューチェーンの視点でGHG排出抑制・削減への取組みにチャレンジしていく必要があると考えています。したがって、2020年1月に気候変動対応に係る長期戦略として電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」 を策定しました。
そして、現在、各国でカーボンニュートラル(以下、CN)をめざす野心的な目標設定や取組みの動きが進展しており、我が国も「2050年までのCN実現の宣言、GHG排出量を2030年度に2013年度から46%削減し、さらに50%の高みに向け挑戦を続ける」ことを表明しています。また、民間企業でも、気候変動対応に係る経営戦略の開示や脱炭素に向けた目標設定等の取組みが進展しており、実際、企業単体ではなくバリューチェーン全体での脱炭素化を進める動きが拡大し、多様なステークホルダーから、脱炭素への対応要求も高まっています。
以上を踏まえ、温暖化対策連絡会は、今般、2020年に策定した長期ビジョンの内容をリニューアルし、2022年11月に改定版を発行しました。
改定版ビジョンでは、我々電機・電子業界が、国内外問わず産業・業務・家庭・運輸からエネルギー転換(発電)にいたるまで、あらゆる分野に製品・サービスを提供していることから、我々が関わるグローバルバリューチェーン全体を対象として、次の「基本方針」を定めました。
電機・電子業界のバリューチェーン全体におけるGHG排出を、グローバル規模で2050年にカーボンニュートラルの実現をめざす。具体的には、以下の取組みを実施していく。
- ①
- Scope1+2(*)について、省エネ化および再エネ導入によって、排出量を最大限削減する
- ②
- Scope3(*)について、バリューチェーンにおけるステークホルダーとの共創/協創と技術開発・イノベーションにより、可能な限り排出量の削減に努める
- ③
- 炭素除去を含めた様々な手法を用いて、残った排出量の相殺に努める
- ④
- 上記に加え、社会の各部門における脱炭素化に大きく貢献する
また、本ビジョンは、電機・電子業界の「めざす姿」また「取組むべき(挑戦する)活動」として、さらに業界の各社が長期の目標等を検討する際の「道標(みちしるべ)」として、策定しています。
詳細は以下の資料をご参照ください。
そして、2023年5月には、電機・電子業界「気候変動対応長期ビジョン」に示した業界としての方向性や考え方をご理解頂くための解説、さらに、取り組みの参考となる関連情報や事例などを纏めた「電機・電子業界 気候変動対応長期ビジョン 解説とガイダンス Ver1.0」を発行いたしました。
ガイダンスの内容は、今後の法規制の動向等も踏まえて、定期的にアップデートを予定しています。
ガイダンス(別紙Ⅰ含む)および付属書(別紙Ⅱ~Ⅲ)は以下URLよりご確認ください。
また長期ビジョンの策定にあたり、カーボンニュートラル行動計画参加企業皆様よりいただいたご意見を基に「長期ビジョンに関するFAQ(別紙Ⅳ)」を作成しております。
FAQはカーボンニュートラル行動計画参加企業、会員企業限定での公開となります。
下記よりご覧ください。
長期ビジョンの検討|参加企業専用 電機・電子業界の温暖化対策 〜電機・電子業界 カーボンニュートラル行動計画〜 (denki-denshi.jp)